相続税の税率と速算表|計算のしかたを例でわかりやすく

相続税は、遺産の総額に一律の税率をかけるのではありません。法定相続分で分けたと仮定して、金額の段階ごとに高くなる税率を当てはめます。この記事では、速算表の見方と計算の流れを、数字の例で説明します。

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(出典:国税庁「相続税の税率」No.4155、「相続税の計算」No.4152。令和8年4月1日現在の法令等にもとづきます。)

1. まず、基礎控除を引く

遺産の総額から、次の基礎控除額を引きます。残りが「課税遺産総額」です。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

遺産の総額がこの金額以内なら、相続税はかかりません。申告も原則として不要です。

2. 相続税の速算表

課税遺産総額を法定相続分で分けた金額に、次の税率をかけ、控除額を引きます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

3. 計算の流れ(例)

例:遺産の総額が1億円、相続人が配偶者と子2人の場合

  1. 基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
  2. 課税遺産総額:1億円 − 4,800万円 = 5,200万円
  3. 法定相続分で分ける:配偶者1/2=2,600万円、子は1/4ずつ=1,300万円ずつ
  4. 速算表を当てはめる
    • 配偶者:2,600万円 × 15% − 50万円 = 340万円
    • 子(1人):1,300万円 × 15% − 50万円 = 145万円(2人で290万円)
  5. 相続税の総額:340万円 + 290万円 = 630万円
  6. 実際の遺産の分け方に応じて、この総額を各人に割り振ります。

この例で、配偶者が法定相続分(1/2)を相続した場合は、「配偶者の税額軽減」により配偶者の納税額は0円になります。実際に納めるのは、子の分の315万円ほどです。ただし、軽減を受けるには申告が必要です。

4. 知っておきたい注意点

  • 生命保険金の非課税枠:死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」まで非課税の枠があります。
  • 配偶者の税額軽減:配偶者が取得した額が、法定相続分または1億6,000万円のどちらか多い金額までなら、配偶者に税はかかりません。
  • 2割加算:被相続人の一親等の血族(子・父母)と配偶者以外が取得した場合(兄弟姉妹など)は、税額が2割増しになります。
  • 申告と納付の期限:被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。提出先は、被相続人の住所地の税務署です。
  • 土地や家の評価:土地や建物は、時価ではなく相続税評価額で計算します。小規模宅地等の特例が使える場合は、評価額が大きく下がります。

ここで示した計算は、基本的なしくみの説明です。実際の税額は、財産の内容や特例の適用によって変わります。

5. 個別の税額や申告は、税理士へ

具体的な税額の計算や申告書の作成、節税の相談は、税理士の業務です。このサイトでは、個別の税務相談や申告の代理は行っていません。お近くの税理士にご相談ください。

参考資料

  • 国税庁 タックスアンサー No.4155「相続税の税率」
  • 国税庁 タックスアンサー No.4152「相続税の計算」
  • 国税庁 タックスアンサー No.4114「相続税の申告と納税」

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