生前に子や孫へ財産を渡す「生前贈与」は、相続税の対策としてよく話題になります。ただし、亡くなる前の一定期間の贈与は、相続税の計算に加えられます。この記事では、暦年贈与と相続時精算課税の違いと、注意点を整理します。
| 暦年課税(暦年贈与) | 相続時精算課税 | |
|---|---|---|
| 非課税の目安 | 1人が1年間に受け取る額が110万円まで(基礎控除) | 年110万円まで(基礎控除)、さらに累計2,500万円まで(特別控除) |
| 相続税との関係 | 亡くなる前の一定期間の贈与は、相続税の計算に加える | 贈与した財産(基礎控除を超える部分)を、相続税の計算に加える |
| 選び方 | 届出は不要 | 税務署への届出が必要。一度選ぶと、同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻せない |
1. 暦年贈与:年110万円までなら贈与税がかからない
1年間(1月〜12月)に1人が受け取った贈与の合計が110万円以下なら、贈与税はかかりません。申告も原則として不要です。
2. 相続前の贈与は「持ち戻し」される
相続人や遺贈を受けた人が、亡くなる前の一定期間に受けた贈与は、相続税の計算に加えられます(生前贈与加算)。この期間は、令和6年の改正で、3年から7年へ延びています。令和9年以降の相続から、段階的に延びます。
3年を超え、7年以内の贈与については、合計100万円までは加算されません。(国税庁の案内で確認してください。)
3. 相続時精算課税
60歳以上の父母・祖父母などから、18歳以上の子・孫に贈与する場合に選べます。年110万円までの基礎控除に加えて、累計2,500万円までの特別控除があります。贈与のときに税がかからなくても、将来の相続税の計算で、贈与した財産が加えられます。
4. 注意したい点
- 毎年同じ額を渡す贈与:最初から総額を決めていたとみなされると、まとめて課税される場合があります。
- 名義預金:子の口座に入れても、本人が管理していれば、贈与と認められないことがあります。契約書や振込記録を残します。
- 住宅資金や教育資金の特例:別の非課税制度があります。条件は国税庁の案内で確認してください。
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個別の事情に合わせた判断や手続きは、税理士にご相談ください。当サイトは、個別の相談や手続きの代理は行っていません。
参考資料
- 国税庁 タックスアンサー「贈与税」「相続時精算課税」
最終確認日: 2026年10月13日。制度は改正されることがあります。
